眼瞼下垂症
眼瞼下垂症はとても身近な病気です。
おでこに皺があるお年よりの方を多く見ることがあると思いますが、そういった方は眼瞼下垂症になっている場合があります。
瞼は覚醒中は無意識のうちに開いています。これは瞼を挙げる筋肉(眼瞼挙筋やミュラー筋など)の作用により瞼を挙げていますが、これらの筋肉や神経(交感神経、動眼神経など)の異常により眼瞼下垂は生じます。
眼瞼下垂症が生じてくると無意識のうちにおでこで瞼を開けようと頑張って目を見開いている状態、おでこの筋肉を使って(前頭筋の収縮によって)目を開けようとします。
それでも瞼が黒目(瞳孔)にかかるような状態になるとひどい場合には顎をあげて物を見るようになってきます。
眼瞼下垂症の症状
症状としては上のほうが見えない、頭痛がする、目が疲れるなど認めます。
また首や肩に負担がかかり、肩こりの原因となります。
眼瞼下垂症の原因
多くの場合、加齢やアトピー、ハードコンタクトレンズの長期装用が原因です。
まれな例として脳動脈瘤や重症筋無力症などがあります。
似たような疾患
似たような疾患として偽眼瞼下垂症があります。
筋肉や神経に異常は無いけれども瞼の皮膚のたるみが瞳孔にかかってしまう場合を言います。
霰粒腫
瞼のできものを大きく分けると二つに分けることができます。
- 細菌感染によるものを麦粒腫
- 細菌感染によらないものを霰粒腫
と言います。
霰粒腫の症状
しこりができる。痛み、赤みはなし。
霰粒腫の原因
涙の成分の油分を分泌するマイボーム腺の開口部がつまり、慢性的な炎症により肉芽ができるのが霰粒腫です。
霰粒腫は皮膜に包まれて外から触ると境界が明瞭なしこりとして確認できます。傷みや赤みはありません。
霰粒腫の治療
ステロイドで炎症を抑えると改善する場合もありますが、基本的には手術にて摘出する必要があります。
麦粒腫
麦粒腫は「ものもらい」、「めばちこ」と呼ばれ、瞼の細菌感染によって起こります。多くが黄色ブドウ球菌によるもので赤みや腫れを伴い触ると痛みがあります。
瞼の皮膚の脂腺に感染が起こるものを外麦粒腫といい、マイボーム腺に細菌感染が起こるものを内麦粒腫です。
麦粒腫の症状
痛み、発赤が強い。
麦粒腫の原因
細菌感染が原因
麦粒腫の治療
点眼、内服などの抗生剤の治療を行います。化膿が悪化した場合には切開による膿の排出を必要とする場合もあります。